1. 飲み会マナーは「常識力」の一部
会社や役所などで働いていると、歓迎会、送別会、懇親会など、さまざまな飲み会に参加する機会があります。
最近では飲み会の数が減ってきているとはいえ、重要なコミュニケーションの場であることに変わりはありません。
ただし、「飲み会のマナー」をしっかり理解していないと、知らず知らずのうちに上司や先輩に失礼な印象を与えてしまうこともあります。
本記事では、今さら人には聞けない基本的な飲み会のルール・マナーを、初心者にもわかりやすく解説します。

2. 飲み会の目的を理解する
まず大切なのは、「飲み会はただのお酒の場ではない」ということです。
特に職場の飲み会は以下のような目的があります。
- 歓迎会・送別会:新しい仲間を歓迎したり、退職者をねぎらう場
- 懇親会:普段あまり話せない人と交流する場
- 打ち上げ:業務やイベントの終了をねぎらう場
つまり、飲み会は「仕事の延長線上」であり、ただ楽しむだけでなく、職場の人間関係を良くする大事な機会なのです。
3. 参加前の基本マナー
3-1. 参加・不参加の返事は早めに
幹事から案内が来たら、できるだけ早く参加・不参加を返事します。
参加人数によってお店の予約が変わるため、返事を遅らせると幹事に迷惑をかけることになります。
3-2. 遅刻・欠席の連絡は必ず
当日、どうしても遅刻や欠席になる場合は、早めに連絡を入れるのが基本です。
特に上司が参加する会では、無断遅刻やドタキャンは印象を大きく下げる原因になります。
4. 入店・席につくときのマナー
4-1. 席順には暗黙のルールがある
飲み会には「上座・下座」という席順のマナーがあります。
基本的には「入口から遠い席が上座」で、上司やゲストが座る位置です。
若手や後輩は入口近くの下座に座るのが自然な流れです。
もし席を自由にしていい場合でも、上司の隣や真向かいなど「話しかけやすい位置」を空けておく配慮が好印象になります。
4-2. 上司より先に座らない
乾杯や料理が始まる前に、上司がまだ来ていないのに先に座るのは避けましょう。
着席するタイミングを周りに合わせるのもマナーの一部です。

5. 注ぎ方・乾杯のマナー
5-1. グラスを持つ位置に注意
乾杯のときは、目上の人よりグラスを少し下げるのがマナーです。
同じ高さでグラスを合わせると、対等な立場と見なされ、失礼に感じる人もいます。
5-2. お酒を注ぐとき
ビールなどを注ぐときは、ラベルを上にして持ち、両手で注ぐのが基本です。
目上の人のグラスが空いていたら、「お注ぎしましょうか」と声をかけるとスマートです。
逆に、無理に注いだり、しつこく飲ませようとするのはマナー違反です。

6. 飲み方・食べ方の基本
6-1. 一気飲みはNG
昔ながらの文化として残っている場合もありますが、強要された一気飲みは危険です。
自分のペースで飲むのが基本で、無理は絶対にしないことが大切です。
6-2. 食べ物の取り分けは気配りを
大皿料理の場合、率先して取り分けると好印象です。
ただし、清潔なトングや箸を使い、手酌で取り分けるのは避けましょう。
また、取り分けすぎて押し付けるような形にならないよう注意が必要です。
7. 会話のマナー
7-1. ネガティブな話題は避ける
飲み会はあくまで懇親の場です。
職場の愚痴、政治・宗教などセンシティブな話題、悪口は避けるのが基本です。
7-2. 聞き役になると印象が良い
飲み会で無理に話を盛り上げる必要はありません。
上司や先輩の話をよく聞き、相槌を打つだけでも好印象です。

8. 会計・お開き時のマナー
8-1. 会計を気にする姿勢が大事
たとえ上司が奢ってくれる場合でも、「ごちそうさまです」ときちんと感謝の言葉を伝えることが大切です。
割り勘の場合は、幹事の指示に従い、すぐに支払いを済ませましょう。
8-2. お開きのときは一言添える
「ありがとうございました」「ごちそうさまでした」など、最後にきちんと挨拶をすることで印象が大きく変わります。
上司や幹事に「今日はありがとうございました」と一言添えるだけでも十分です。
9. 二次会・三次会への対応
9-1. 無理に参加しなくてもいい
昔は「二次会も当たり前」という風潮がありましたが、最近では強制参加ではありません。
ただし、断るときは「明日早いので」など、角が立たない理由を添えるのが大切です。
9-2. 参加するなら節度を持って
二次会になると雰囲気がくだけやすくなりますが、あくまで職場の人と一緒です。
ハメを外しすぎないように注意しましょう。
10. 飲み会後のフォローもマナーの一部
飲み会は参加して終わりではありません。
翌日、上司や幹事に「昨日はありがとうございました」と一言声をかけるだけで、印象は大きく変わります。
メールやチャットでも構いませんが、できれば直接伝える方が効果的です。
11. よくあるNG行動と対策
- 無断で遅刻・欠席する
→ 事前に連絡を入れるだけで印象は大きく違う - 飲みすぎて迷惑をかける
→ 自分のペースを守る - グラスを下げないで乾杯
→ ほんの少し下げるだけで印象が良くなる - 悪口・愚痴を言う
→ ポジティブな話題に切り替える
これらは「意識するだけ」で簡単に防げるポイントです。
12. まとめ:基本を押さえるだけで印象は変わる
飲み会は、仕事の一部とまでは言わなくても、社会人として避けて通れない場面です。
ただし、特別なスキルは必要ありません。基本的なマナーさえ押さえていれば、誰でも自然に振る舞えるようになります。
- 席順や注ぎ方などの基本マナーを知っておく
- 上司・先輩への気配りを忘れない
- 飲みすぎ・話しすぎに注意する
- 翌日のフォローを大事にする
ちょっとした立ち居振る舞いの違いが、職場での信頼関係にもつながります。
「知らなかった」では済まされない基本的なマナーを、今のうちに身につけておきましょう。
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