近年、AIの進化によって、イラストやアートの制作環境が大きく変わり始めています。中でも注目されているのが、OpenAIが開発したChatGPTと、画像生成AIを組み合わせることで、まるでプロのようなイラストを簡単に作成できるという新しい創作の形です。
とはいえ、AIに「こういう絵を描いて」と頼んでも、思った通りのイラストが出てこないこともあります。その原因は、多くの場合「プロンプト(指示文)」の作り方にあります。
本記事では、チャットGPTを活用してAIイラストを作成する手順と、プロンプトの上手な書き方、また具体的な連携ツールの紹介まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

1. チャットGPTでイラストを作るってどういうこと?
まず初めに、チャットGPTはテキスト(文章)による対話を行うAIであり、直接イラストを描く機能はありません。ただし、画像生成AIと連携することで、イラスト制作の“司令塔”として大きな力を発揮します。
具体的には、以下のような流れでイラストを作ることができます。
- ユーザーが日本語で「描いてほしいイメージ」をChatGPTに伝える
- ChatGPTがその内容をもとに、画像生成AI用の英語プロンプトを作成する
- 生成されたプロンプトを画像生成AIに入力すると、イラストが完成する
このように、ChatGPTは「言いたいことをうまく言語化してくれる存在」として、画像生成の精度と効率を大きく高めてくれるのです。ちなみに下のイラストはチャットGPTに依頼したものです。今後はこう言ったイラストもたくさん使っていこうかなと思いました。

2. 画像生成AIと連携するには?
ChatGPTと一緒に使う画像生成AIには、いくつかの代表的なツールがあります。それぞれ特徴が異なるため、自分の目的に応じて選ぶことが大切です。
DALL·E(ダリ)
OpenAIが開発した画像生成AIで、リアルな描写から柔らかなイラストまで幅広く対応できます。ChatGPT Proプラン(GPT-4)では、チャットの画面内で直接画像を生成することも可能です。
Midjourney(ミッドジャーニー)
アート性の高い表現に優れ、幻想的で印象的な画風が特徴です。Discordというチャットアプリを通じて利用します。プロンプトは英語で入力する必要がありますが、チャットGPTを使えば英語が苦手な方でも安心です。
Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)
オープンソースで、カスタマイズ性が非常に高い画像生成AIです。Web上のツールやローカル環境でも利用でき、プロンプトの自由度が大きいのが特徴です。
これらのツールのいずれも、ChatGPTで作成したプロンプトをコピー&ペーストするだけで簡単にイラストを生成できます。

3. プロンプトとは?イラスト生成の「設計図」
画像生成AIでイラストを作る際、最も重要なのが「プロンプト」と呼ばれる指示文です。プロンプトとは、AIに「こんな絵を描いてください」と伝えるための文章のことです。
このプロンプトの質によって、完成するイラストのクオリティが大きく左右されます。つまり、プロンプトはイラストの「設計図」のようなものと言えるでしょう。
プロンプトには、以下のような情報を含めると、イメージに近い絵が生成されやすくなります。
- キャラクターの外見(性別、髪型、服装など)
- 背景の風景や場所(室内、海、山、夜景など)
- 雰囲気(明るい、幻想的、悲しいなど)
- 画風(アニメ風、リアル調、水彩画風など)
- ポーズや表情(笑顔、走っている、手を振っているなど)
こうした情報をうまく組み合わせてプロンプトに反映させることで、自分が思い描いたイラストにぐっと近づきます。

4. チャットGPTでプロンプトを作る方法
プロンプトを英語で書くのが難しいと感じる方でも、チャットGPTを使えば安心です。以下のように、日本語で伝えるだけで、画像生成AI用の適切な英語プロンプトを作ってくれます。
たとえば、次のように入力してみましょう。
「夜の夏祭りで、浴衣を着た少女が金魚すくいをしているイラストを作りたい。幻想的な雰囲気で、アニメ風にしてほしい。Midjourney用の英語プロンプトを作ってください。」
このように頼むと、チャットGPTは次のような英語プロンプトを返してくれることがあります。
“A Japanese girl in a colorful yukata doing goldfish scooping at a summer festival at night, glowing paper lanterns, dreamy atmosphere, anime style, soft colors, detailed background, magical lighting”
あとは、このプロンプトをMidjourneyの入力欄に貼り付ければ、数秒〜数十秒でAIがイラストを生成してくれます。
5. プロンプト作成のコツ
イメージ通りのイラストを作るには、以下のようなポイントを意識すると効果的です。
イメージをできるだけ具体的に伝える
「かわいい女の子」だけでは情報が足りません。髪の長さや色、服の種類、背景の季節や時間帯など、なるべく細かく描写しましょう。
雰囲気や感情も含める
「さわやかな」「幻想的な」「落ち着いた」など、作品全体の雰囲気を伝えることで、より感情のこもった表現が可能になります。
画風やタッチを指定する
「アニメ風」「リアル調」「ドット絵風」「水彩画風」など、絵のスタイルをはっきり伝えることで、完成イメージが一貫します。
余計な要素は控える
あれもこれもと盛り込みすぎると、AIが混乱してしまうことがあります。重要な要素に絞ってプロンプトを構成するのがポイントです。
6. 活用シーンと注意点
チャットGPTと画像生成AIの組み合わせによって作られたイラストは、さまざまな場面で活用できます。たとえば以下のようなケースが挙げられます。
- SNSのアイコンや投稿画像
- ブログやYouTubeのサムネイル
- プレゼン資料の挿絵
- 小説や漫画のキャラクターデザイン
- ゲームやアプリの試作イメージ
ただし、AIで生成された画像の使用に関しては、利用するサービスの規約をよく確認することが大切です。特に商用利用を考えている場合は、使用可能な範囲やクレジットの記載義務などを事前に確認しておきましょう。
また、著作権的にグレーな素材を含むAI学習データの問題なども議論されており、今後の動向にも注意が必要です。
まとめ:プロンプトが創作の鍵になる時代
チャットGPTと画像生成AIを組み合わせることで、誰でも簡単にイラストを作れる時代がやってきました。しかし、その可能性を最大限に引き出すためには、「プロンプト=指示文」の質がとても重要です。
自分の思い描くイメージを言葉にして、チャットGPTに伝える。そうすることで、AIが的確な英語プロンプトを作り、画像生成AIが魅力的なイラストに仕上げてくれる。この一連のプロセスを活用すれば、専門的な技術がなくても、高品質なビジュアル表現が可能になります。
AIは人間の創造力を置き換えるものではなく、それを広げてくれる存在です。創作においても、AIをパートナーとして迎え入れることで、より自由で、豊かな表現の世界が広がっていくでしょう。
あなたもぜひ、チャットGPTを活用して、世界に一つだけのイラスト制作に挑戦してみてください。
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