仕事をしていると、どうしても自分の能力に自信が持てず、「自分はポンコツだ」と感じることがあります。さらに、上司が正しい指摘をしているとはいえ、その言い方が厳しくて恐怖感を感じると、余計に仕事に対する不安やプレッシャーが大きくなってしまいます。そんな状況では、上司とのコミュニケーションもぎこちなくなり、仕事の効率やモチベーションも低下してしまうでしょう。
しかし、このような状況に置かれても、上司と上手に付き合い、自分の成長につなげる方法はあります。この記事では、恐怖感を感じる上司との接し方について、具体的なステップを通して解説します。
1. 自分を責めすぎない
まず第一に、「自分はポンコツだ」と思い込まないことが大切です。確かに、ミスをすることやうまくいかないことはありますが、それは誰にでもあることです。仕事の中で失敗することは成長の一環であり、失敗を恐れて自分を過度に責めることは逆効果です。
自分を追い詰めすぎると、失敗を恐れるあまり、新しいチャレンジや学びの機会を逃してしまいます。また、自己否定の感情が強くなると、上司の厳しい言葉がさらに重くのしかかり、より一層恐怖感を増してしまうでしょう。
仕事で失敗したときや、思うように結果が出ないときは、「自分は何ができたのか」「今後どう改善できるのか」を冷静に振り返るようにしましょう。感情的にならず、現実的な目で自分のパフォーマンスを見つめ直すことで、成長のヒントが見つかります。
2. 上司の意図を理解する
上司の言葉が厳しいと、ついその言い方にばかり目が行ってしまいます。しかし、上司が厳しい口調で指摘する理由を考えてみましょう。ほとんどの場合、上司は部下の成長やチームの成果を重視しているからこそ、正しいフィードバックを与えようとしているのです。
言い方がキツいと感じるときでも、その背後にある「何を改善してほしいのか」「どの部分を強化すべきか」をしっかりと受け止めることが重要です。上司の指摘内容に対して感情的にならず、具体的な改善点を理解するよう努めましょう。上司が求めていることを明確に把握すれば、恐怖感が和らぎ、フィードバックを成長の糧とすることができます。
ただ、中には自分の欲求の赴くままに部下を怒鳴り散らかしたり、理不尽に説教をしたりする上司もいます。いわゆるパワハラというものをしてくる上司ですね。パワハラをされた際に気をつけてほしいことは、「自責思考になりすぎないで」ということです。私自身も暴言のパワハラを受けたことがあります。おそらく世の中にもパワハラを受けたことがある、若しくは現在受けているという方が数えきれないほどいるのだと思います。ただ、パワハラを受けている当時私は、「自分があまりにも仕事ができないからこんなことを言われてしまうんだ。これはパワハラとかではなく自分の仕事のミスが原因なんだ。自分の責任だ。」と自責思考に陥ってしまっていました。同じような考え方を持ってしまっている方は今すぐにこの考え方を捨て去ってください。あなたの仕事の出来がどれほど悪かろうと、何十回と同じミスを繰り返そうと、あなたの人格やこれまでの人生を否定するような言葉を投げかけられる理由には決してなりません。
3. フィードバックの受け取り方を工夫する
上司の厳しい言い方に対して過剰に反応してしまうのは、フィードバックの受け取り方が感情的になってしまっている可能性があります。こうした状況を改善するためには、以下のような工夫をしてみるといいでしょう。
- 冷静な態度を保つ
フィードバックを受けるときは、深呼吸して自分の感情を落ち着かせることが大切です。上司の言葉に対して感情的にならず、あくまで内容に焦点を当てましょう。 - メモを取る
厳しい言葉をそのまま心に受け止めるのではなく、言われた内容を客観的に記録するためにメモを取るのも効果的です。メモを振り返ることで、上司が指摘した具体的な点に集中し、次の行動に繋げやすくなります。 - 質問をする
理解できない点があれば、冷静に質問をして具体的な改善方法を確認しましょう。上司も質問されることで、さらに具体的なアドバイスを与えやすくなりますし、部下が成長したいという意欲を感じることができます。
4. 直面している恐怖感を言語化する
厳しい上司に対して感じる恐怖感は、心の中で膨れ上がってしまうことが多いです。しかし、その感情を自分自身で言語化し、冷静に向き合うことで、不安や恐怖を少しずつ和らげることができます。
例えば、「上司の言い方が怖い」と感じるのであれば、その言い方が具体的にどのように感じるのかを書き出してみましょう。そして、それが自分のパフォーマンスにどのような影響を与えているのか、客観的に分析してみるのです。恐怖の感情は漠然としていることが多いため、具体的に掘り下げていくことで、解決の糸口が見えてくることがあります。
人間は複数のことを頭で並行して処理することが極めて苦手です。頭の中で不安や恐怖を感じている場合、当然の如くそのほかの作業効率は著しく低下します。こう言った事態を防ぐためにも、紙に書き出して普段の頭の中を整理するという習慣をつけてみるといいと思います。
5. 自分を成長させる視点を持つ
上司との関係を改善し、自分の仕事の質を向上させるためには、常に「成長」という視点を持つことが大切です。上司から厳しい指摘を受けたときも、それを自分を成長させるための機会だと捉えることで、恐怖感が次第に薄れ、前向きに対応できるようになります。
上司からの指摘に対して、自分ができることや改善するべき点を見つけ、それを着実に実行に移すことで、上司との信頼関係も築けるでしょう。また、上司が求めている成果を理解し、それに向けて具体的な行動を取ることで、評価も上がり、厳しい言葉の頻度も減るかもしれません。
6. 信頼できる同僚や相談相手を見つける
一人で悩みを抱え込むと、どうしても視野が狭くなりがちです。そのため、同じ職場で信頼できる同僚や友人に相談することも有効です。他人の視点からアドバイスを受けることで、自分では気づかなかった解決策や新たな視点を得られることがあるからです。
また、職場内外のメンターやキャリアコーチに相談することで、より具体的なアドバイスや心の持ち方を学ぶこともできるでしょう。第三者の意見は、感情的に対処するのではなく、冷静に状況を見つめ直す助けとなります。
まとめ
厳しい言い方をする上司との付き合い方は難しいですが、自分自身の成長や上司との関係改善を考えたとき、その指摘やフィードバックをどのように受け止めるかがカギとなります。冷静に対処し、恐怖感を和らげるための工夫を取り入れることで、上司との関係をより建設的なものにすることができます。
恐怖は人間の本能的な感覚です。恐怖を感じている際に、「大丈夫、私は怖がっていない。」というように本能からきている感覚と真逆の状態だと意識することは、逆効果となり、かえって恐怖を増幅させることにも繋がります。そういった際は「怖がっても大丈夫。」と今の自分の状態を認めてあげることが、恐怖克服のための一歩になるともいえます。
ぜひこれらのポイントを意識し、上司とのコミュニケーションを改善し、自分の仕事のパフォーマンスを高めてください。
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