― 仕事の効率が劇的に上がる実践ノウハウ ―
Excelを使った集計作業は、どんな職場でも避けて通れない業務です。しかし、同じ集計作業でも「技術を知っているかどうか」で作業時間は大きく変わります。
本記事では、初級レベルから実務で即使える応用技術まで、Excelで役立つデータ集計のノウハウをわかりやすく解説します。今日から使える具体的な操作や例を交えつつ、5,000字で丁寧にまとめました。

1. データ集計の基本を押さえる
● まず「データの整形」が最重要
集計がうまくいかない多くの原因は、実は「データが整っていないこと」です。
集計向きのデータは以下が鉄則です。
- 1行に1レコード(1件の情報)
- 1列に1項目
- 空白の行や列を入れない
- セル結合を使わない
- 見出し行を1行にする
悪い例:
| 商品名 | 東京 | 大阪 |
|---|---|---|
| りんご | 10 | 12 |
→ 支店名が見出しに混ざっているため、支店別の集計がしにくい。
良い例:
| 商品名 | 支店 | 数量 |
|---|---|---|
| りんご | 東京 | 10 |
| りんご | 大阪 | 12 |
→ 正規化されたデータで、あらゆる角度から集計できる。
集計は構造が60%、操作が40%。まずはデータの形を整えることが最大の効率化です。
2. 合計・平均・最大値などの基礎関数による集計
● SUM関数(合計)
=SUM(B2:B100)
最も基本ですが、意外と「範囲選びが適当でエラーを出す」ケースが多いです。
フィルターで表示されているデータだけ計算したい場合は SUBTOTAL関数 が便利。
● SUBTOTAL関数でフィルター集計
=SUBTOTAL(9, C2:C100)
9は「合計」を意味。
フィルターした部分だけを集計でき、表の一部だけ分析したいときに強力。
● AVERAGE, MAX, MIN
基本ですが、データ範囲が変わる場合はテーブル化(後述)しておくと自動追従して便利。
● COUNT系の使い分け
- COUNT:数字のみ数える
- COUNTA:空白以外を数える
- COUNTIF:条件つきカウント
- COUNTIFS:複数条件でカウント
例:支店が「東京」で、かつ売上が100以上の件数=COUNTIFS(A:A,"東京",C:C,">=100")
条件付き集計の中核となる関数。
3. SUMIF / SUMIFSを使った条件付き集計
条件で合計したり平均を出す場合は SUMIF / SUMIFS が必須。
● SUMIF(単一条件)
例:商品が「りんご」の数量合計=SUMIF(A:A,"りんご",C:C)
● SUMIFS(複数条件)
例:商品が「りんご」かつ支店が「東京」=SUMIFS(C:C,A:A,"りんご",B:B,"東京")
「月ごと」「担当者ごと」「商品カテゴリーごと」など、日常業務で最もよく使われる集計関数です。

4. ピボットテーブルによる強力な集計
Excelの集計を「爆速」にするならピボットテーブルは必須。
● ピボットテーブルでできること
- 表を瞬時に集計
- 切り口を自由に変更
- フィルターや並び替えが簡単
- グラフ化が数秒でできる
● 例:売上データの集計
| 日付 | 支店 | 商品 | 数量 | 売上 |
|---|
これをピボット化すると、
- 支店別売上
- 商品別売上
- 月別売上
- 支店 × 商品のクロス集計
が一瞬でできる。
● ピボットの鉄板配置
- 行エリア:集計の軸(支店や商品)
- 列エリア:比較する軸(月やカテゴリ)
- 値エリア:合計・件数・平均など
- フィルター:表示する範囲を絞りたい条件
● ピボットの便利技
- グラフは「ピボットグラフ」で自動更新
- フィールドの入れ替えで分析切り口を瞬時に変更
- スライサーで直観的に絞り込み可能
「集計表を何パターンも作ってる」人は、ピボットに切り替えるだけで作業が半分以下になることもあります。
5. Excelテーブル(Ctrl+T)で“変化に強い”集計にする
Excelの「テーブル化」は集計の効率を大きく上げる機能。
● テーブル化のメリット
- 新しい行を追加すると自動で範囲拡張
- フィルターが最初からつく
- 数式が自動コピーされる
- ピボットテーブルの元データに最適
● 例:SUMIFSとテーブル
通常の範囲=SUMIFS(C:C,A:A,"りんご")
テーブル化表示=SUMIFS(売上[数量], 売上[商品], "りんご")
列名で指定できるためミスが減り、データを追加しても崩れない。
実務では「まずテーブル化」が鉄則。
6. 集計で役立つ関数(中級レベル)
● UNIQUE関数で重複を除いた一覧
=UNIQUE(A2:A100)
支店一覧や商品一覧を自動抽出できる。
● FILTER関数で条件抽出
=FILTER(A2:D100, C2:C100>=100)
売上100以上だけを抽出した別表が自動更新される。
「抽出+分析」が高速化。
● SORT/SORTBYで並び替え
=SORT(A2:D100, 3, FALSE)
3列目を降順で並び替えなどが可能。
● XLOOKUPで一覧からデータ取得
=XLOOKUP("りんご", A:A, C:C)
VLOOKUPの上位互換。
集計用のマスタ管理がラクになる。
7. グラフを使った視覚的な集計
集計結果は数字だけでは伝わりにくいため、グラフ化で“伝わる資料”になる。
● 基本の3種類
- 棒グラフ:比較に強い
- 折れ線グラフ:推移に強い
- 円グラフ:構成比。ただし使いすぎ注意
● ピボットグラフとの組み合わせが最強
ピボットテーブルと連動して自動更新されるため、集計と視覚化を一度に行える。

8. 実務でよくある集計シーンと解決例
● 例1:担当者ごとの月別売上を出したい
解決策:
- ピボットテーブルで
- 行 → 担当者
- 列 → 月
- 値 → 売上合計
数秒で完了。
● 例2:条件別に件数と平均を同時に出したい
SUMIFS(合計)と COUNTIFS(件数)、AVERAGEIFS(平均)を併用。
平均の算出例=AVERAGEIFS(D:D, A:A, "東京", B:B, "りんご")
● 例3:支店ごとに評価ランク付けしたい
SORTBYで降順に並び替え、RANK関数で順位を付ける。
=RANK(D2, D:D, 0)
9. 集計ミスを防ぐデータ管理のコツ
● セル結合は絶対にしない
集計を壊す最大の原因。
● 数値を文字列にしない
「10」と見えても文字列の場合がある。
数値が右寄せになっているか確認。
● 同じカテゴリーでも表記ゆれを無くす
例:
「東京支店」
「東京」
「とうきょう」
→ 集計できない原因になる。
データ入力規則でプルダウン化するとミスが減る。
10. まとめ:Excel集計は「構造化 × 関数 × ピボット」が最強
Excelでの集計技術は、以下の3つを押さえると劇的に効率化します。
- データを整える(構造化)
- SUMIFS・COUNTIFS・FILTERなどの条件関数を使う
- ピボットテーブルで多角的に集計する
さらに、テーブル化やグラフの活用を組み合わせることで、速く・正確で・説得力のある資料作成が可能になります。
Excelは奥深く、集計だけでも多くの手法がありますが、本記事で紹介した内容を使いこなせれば、日常業務の8割以上の集計は効率よく処理できます。


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