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保険料控除って何?

初心者にもわかりやすく仕組み・種類・注意点を徹底解説

年末調整や確定申告の時期になると必ず出てくる「保険料控除」。
会社から配られる書類に“保険料控除申告書”と書かれていて、よく分からないまま記入している人も多いのではないでしょうか。

しかし、保険料控除は実は お金(所得税や住民税)を減らせる大切な制度 です。
仕組みを知っておくと、ムダなく控除を受けられ、手取り額が増える場合もあります。

この記事では、
・保険料控除とは何か
・どんな保険が対象?
・控除を受けるといくら得する?
・申請に必要な書類
・よくある勘違い
・注意点

などを、初心者にもわかりやすく徹底解説します。


1. 保険料控除とは?まずは基本を解説

目次

1-1. 保険料控除は「税金が安くなる仕組み」

保険料控除とは、
一定の保険料を払っている人の所得から、その保険料の一部を差し引く制度 のことです。

所得が減る → 課税される金額(税金の計算の元)が減る
つまり、結果として 所得税や住民税が安くなる という仕組みです。

例:年間所得300万円の人が2万円の控除を受けた場合

  • 課税対象が「300万円 → 298万円」になる
  • 税金が下がり、手取りが増える

これが保険料控除の基本です。


1-2. なぜ保険料を払うと税金が安くなるのか?

国が「自分でリスクに備える人を応援したい」という理由があります。

  • 病気・ケガに備える
  • 老後資金を積み立てる
  • 家族にお金を残す
  • 介護や認知症に備える

こうした「公的保障(国の保険)」を補完する民間の保険に加入することは、社会的にもメリットがあるため、国は税金を安くする形でサポートしています。


2. 保険料控除は3種類ある

保険料控除には次の3つがあります。

  1. 生命保険料控除
  2. 地震保険料控除
  3. 社会保険料控除

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。


3. 生命保険料控除とは?

もっとも利用者が多いのが 生命保険料控除 です。
生命保険会社から毎年送られてくる「控除証明書」を貼り付ける部分がこれです。

生命保険料控除は、さらに3つに分かれます。

  1. 一般生命保険料控除(死亡保障など)
  2. 介護医療保険料控除(介護・医療系)
  3. 個人年金保険料控除(老後資金づくり系)

3-1. 一般生命保険料控除(死亡保障など)

対象となる保険:

  • 生命保険(死亡保険)
  • 終身保険
  • 定期保険
  • 収入保障保険 など

特徴:

  • 万一の死亡や大きなリスクに備える保険
  • 最も加入者が多い

控除額の上限:

  • 所得税:最大4万円
  • 住民税:最大2万8千円

3-2. 介護医療保険料控除

対象:

  • 医療保険
  • 介護保険
  • がん保険
  • 入院給付金が出る保険
  • 特定疾病保障保険 など

特徴:

  • 病気・ケガ・入院などの保障がある保険
  • 以前は一般生命保険に含まれていたが、制度が分離された

控除額の上限:

  • 所得税:最大4万円
  • 住民税:最大2万8千円

3-3. 個人年金保険料控除(老後資金づくり)

対象:

  • 個人年金保険(掛け金を積み立て、老後に年金として受け取る)

特徴:

  • 老後の生活資金を自分で準備するための保険
  • 公的年金を補う役割

控除額の上限:

  • 所得税:最大4万円
  • 住民税:最大2万8千円

4. 地震保険料控除とは?

地震保険料控除は、住宅や家財にかけている 地震保険 が対象です。

対象:

  • 地震保険
  • 旧長期損害保険(一定条件あり)

控除額の上限:

  • 所得税:最大5万円
  • 住民税:最大2万5千円

地震大国である日本では、多くの人が対象になる控除です。


5. 社会保険料控除とは?

民間保険ではなく 公的保険を払っている人が対象 の控除です。

対象:

  • 国民年金
  • 国民健康保険
  • 厚生年金(給与天引きぶんも含む)
  • 介護保険料
  • 任意継続の保険料 など

特徴:

  • 支払った保険料は全額控除
  • 控除の中で最も金額が大きくなりやすい

給与天引きされている保険料もすべて含まれているため、会社員でも大きな控除になります。


6. 保険料控除で「どれくらい税金が減る?」

控除額=税金の減少額ではありません。
控除は「課税対象を減らす仕組み」なので、税率によって戻ってくる(減る)税額が変わります。


6-1. 簡単な計算例

例)年収300万円で所得税率10%の人が
「生命保険料控除で4万円の控除」を受けた場合

税金が安くなる額
= 控除額 × 税率
= 4万円 × 10%
= 4,000円

つまり、所得税が4,000円減ります。

また、住民税は一律10%なので
2万8千円の控除なら 2,800円減ります。

合計すると
約7,000円の節税 となります。

控除を受けるメリットが大きいことがわかります。


7. 保険料控除を受けるために必要なもの

7-1. 控除証明書が必ず必要

生命保険会社・地震保険会社から送られてくる
「保険料控除証明書」 は絶対に必要です。

紙で届くことが多いですが、最近は電子データで届く場合もあります。

紛失すると再発行が必要になるので注意しましょう。


7-2. 申告書に貼り付け or 添付するだけ

会社員の場合:

  • 年末調整で提出
  • 保険料控除申告書の該当部分に金額を記入
  • 控除証明書を添付

自営業・フリーランス:

  • 確定申告で提出
  • 控除証明書を添付

どちらも難しい作業はありません。


8. 保険料控除でよくある勘違い

初心者が間違えやすいポイントをまとめました。


8-1. 「保険料を払った全額が戻ってくる」は誤解

あくまで
「税金が少し安くなるだけ」
であり、払った保険料が返金されるわけではありません。


8-2. 医療費と混同する人が多い

保険料は「控除対象」。
医療費も「控除対象」。

しかし中身が全く違うので、混同しないように注意。


8-3. 家族の保険料でも控除できる?

可能です。

条件:

  • 同一生計であること
  • あなたがその保険料を払っていること

子どもや配偶者の保険でも、支払者があなたなら控除できます。


9. 保険料控除を最大限に活用するコツ

せっかくの制度をムダにしないためのポイントです。


9-1. 控除証明書を必ず保管する

届いたらすぐに封筒にまとめておくのがコツ。


9-2. 保険に入りすぎて控除額が増えるわけではない

控除額には上限があります。

例)生命保険料控除
所得税の上限 → 各区分4万円

つまり、
「たくさん保険料を払えば払うほど控除が増える」
というわけではありません。


9-3. 会社員なら年末調整で完結する

確定申告の必要はなく、書類を提出すればOK。


9-4. 電子化も進んでいる

最近はマイナポータル連携やデジタル証明書で提出が簡単になっています。


10. まとめ:保険料控除は「税金が安くなるお得な制度」

最後にポイントをまとめます。


■ 保険料控除とは

一定の保険料を払っていると
所得税・住民税が安くなる制度


■ 種類は3つ

  1. 生命保険料控除(一般・介護医療・個人年金)
  2. 地震保険料控除
  3. 社会保険料控除

■ 控除証明書が必須

保険会社から届く書類を保管しておこう。


■ 家族の保険でも控除可

あなたが払っていればOK。


保険料控除は仕組みが分かればとても簡単で、税金を確実に減らすことができます。
年末調整や確定申告の準備で役立つ制度なので、ぜひこの記事を参考にして上手に活用してください。

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